観光協会改革 第1段 大分県 日田市観光協会

3年間で事業規模3倍、自主財源6倍を実現

日田市においては、市町村合併後の観光行政と観光協会の在り方が整理されておらず、市としては観光協会の体質を強化が必要と考えていた。そのためには、事務局長として指揮を執ることにより、内部から観光協会に変革を起こすことにした。そこで、「自分サイズの戦略構築」と「共働による推進」を掲げ改革シナリオを設計した。

徹底的なヒアリング

観光協会に関する期待や要望を市や観光関係者にヒアリングしたところ、目指すべき方向が不明瞭であるため、事業における一貫性がなく、事務局スタッフの活動が非効率ということが判明した。そこで、関係者を集めワークショップを実施して、観光協会のビジョンを「水と森の恵みに感謝」と設定した

バリュー・クリエイター佐藤の視点 日本の観光協会において明確にビジョンを設定し、それに基づき事業と組織をマネジメントできているケースは稀である。目標を共有できていない組織は単なる集団であって、期待される成果を挙げることはできない。組織と呼ぶならば、ビジョン設定は必須である。

ノウハウをフルに活かしプランニング

「水と森の恵みに感謝」というビジョンに沿って、市場環境に対して「クロスSWOT分析」を実施し、戦略シナリオをデザインした。また、観光協会の各事業に対して「ABC分析」を実施し、観光協会事務局の行動をマネジメントする体系を整理した。これらを軸に観光行政との役割を明確にし、効率的かつ効果的な委託事業や補助金事業を予算化した。

バリュー・クリエイター佐藤の視点 現代の観光協会改革に必要なことは、観光実務のプロではなく組織戦略のプロの存在である。特に今後の事務局長に求められる資質は「情報整理能力」「利害調整能力」「率先垂範能力」であり、これらに加えて観光実務が備わっていれば完璧と言える。

120%の力で実行→検証→リプラン

事務局の企画力&営業力を鍛え上げ、事業内容については「情報発信の強化」「旅行商品の開発・販売」「飲食業との連携」を柱に収益事業を組み立て、自主財源が3,000万円を超える状況を作り上げた。その際、本気で頑張る協会員を応援するために「公平という名の不公平」を排除することに力点を置いた。

バリュー・クリエイター佐藤の視点 観光協会内に存在する「公平性」という言葉が誤って使用されることにより、事業推進の足枷になっているケースが多い。公平のポイントを低い位置でなく、高い位置に合わせることにより、公平という名の不公平」を排除することが可能になる。

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