観光協会改革 第2段 熊本県 天草宝島観光協会

新たな観光協会長の誕生に合わせて新体制を構築

天草市においては、市町村合併後の観光行政と観光協会の在り方に加えて、観光協会の本部と支部との関係が整理できないまま5年が経過していた。新たな観光協会長が誕生するタイミングで観光協会改革を実行したいという要請があり、総合アドバイザーという立場で関わることになった。

徹底的なヒアリング

新観光協会長を含む執行部の方々にヒアリングを行ったところ、「現在は市(行政)からの補助金比率が86%を占めており、行政の外部団体のように見え、自主性に欠ける」とのこと。また、事務局が目の前の業務に忙殺され、それが原因で人材育成も後手に回り、スタッフの定着率が低くなるという悪循環に陥っていることが分かった。

バリュー・クリエイター佐藤の視点 天草宝島観光協会の抱える課題は、日本中の観光協会に共通の課題であり、観光行政を進める自治体としても観光協会改革は最重要課題という認識が年々強くなる傾向にある。あるべき姿は、観光行政と観光協会がクルマの両輪のような関係を構築することである。

ノウハウをフルに活かしプランニング

当面の取組むべき方向性として、行政との共通の目標を持ち「共働による推進」を図ること、理事会と執行部と事務局との役割(権限と義務)を明確にし「自分サイズの戦略」を描くことを決定。総合アドバイザーとして、執行部の定例会および理事会に参加すると同時に、事務局体制の再編および改革を行うことを決めた。

バリュー・クリエイター佐藤の視点 日本の観光協会の多くが各階層における「権限委譲(エンパワーメント)」が上手く機能しておらず、機能不全に陥っているケースが多い。観光協会改革を推進するためには、特に「事務局長」への権限委譲をどのレベルまで行うのかが重要である。

120%の力で実行→検証→リプラン

観光行政との「共働による推進」においては、天草市総合計画に基づき「天草市観光振興アクションプラン」を策定する中で両者の在るべき関係を再整理した。また、事務局体制の再編においては、事務局長をサポートする体制づくりに主眼を置き、リクルート社からの出向受け入れを通して、自立できる観光協会改革を開始した。

バリュー・クリエイター佐藤の視点 観光行政と観光協会の関係構築においては、計画策定の段階から「共働による推進」で取り組むことが望ましい。事務局体制の再編・改革においては、事務局長の業務環境を組織としてバックアップする体制構築が必要である。

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