ご当地グルメ「上天草どっちがよか丼」の開発-
開発後1年間で約20,000食の提供を実現
上天草市においては、この数年間で宿泊施設による料理改革により、観光客の評価が上がっていたが、昼食の提供という点においては機会の損失が課題となっていた。過去に“ご当地グルメ”開発が行われたが、競争力のある食材に恵まれながらも、それが活かしきれないという現実に直面していた。そこで、カスタマー視点×プロフェッショナル視点による「売れるご当地グルメ」開発をデザインした。
徹底的なヒアリング
過去の“ご当地グルメ”開発についてヒアリングを行ったところ、事業者視点による開発になっており、セールスプロモーションの観点も弱く、「いい商品」ではあるが、「売れる商品」にまで商品化されていなかった。そこで、「売れるご当地グルメの開発」セミナーを実施し、本気のご当地グルメ開発にチャレンジする飲食店を募った。
バリュー・クリエイター佐藤の視点 「いい商品」を作れば「売れる商品」になるという甘い認識がご当地グルメ開発の現場においても浸透しているが、現実は厳しい。ご当地グルメ開発を成功に導くには、カスタマー視点×プロフェッショナル視点による食材を活かした事業設計が必要である。
ノウハウをフルに活かしプランニング
カスタマー視点の導入にあたり、地域食材および食材を活かしたグルメ案などに関するマーケティングを実施した結果、食材は「車エビ」「天草大王」の評価が高く、ご当地グルメの提供スタイルについては「地域食材を活かした丼ぶり」の評価が高いことが分かった。そこで、両食材を活かした丼ぶりをキーワードに事業設計を行った。
バリュー・クリエイター佐藤の視点 事業者視点での発想が偶然にもカスタマー視点と一致していれば良いが、その確立を高めるには正しいマーケティング手法に基づきカスタマー視点を明確にしておくことが大切。これを確認した上で事業設計することにより、自信を持って事業推進に着手できる。
120%の力で実行→検証→リプラン
「車エビ」「天草大王」をメイン食材としたご当地丼ぶりの試作にあたり、若手女性3名のフードコーディネーターによるプロフェッショナル視点の導入を実施し、「上天草どっちがよか丼 海丼×山丼」が完成した。開発から完成に至る過程をメディアに公開し、完成後も内外に向けたセールスプロモーションを徹底した。
バリュー・クリエイター佐藤の視点 ご当地グルメ開発などにおいて食のプロフェッショナルを招聘するケースがあるが、目的にあったプロフェッショナルの選択が重要である。「美味しいもの」を作る場合と「売れるもの」を作る場合ではプロフェッショナルに求める資質は当然異なるはずである。